<実践QRO教室(1)ハードウエアー編>

<オリエンテーション>
 アマチュア無線家の憧れ1アマハイパワー局、6mは500W(外国との交信に限り1KW)までの出力が許されます。去年1年間かけて念願の1アマ免許を取りましたので早速QROの準備を始めたのです。二十数年前なら50Wの移動局でも電監に持ち込み検査(ああハイパワーへの道参照)、6mは50Wまでしか許可されていませんでした。
 時代は変わって今では6mでも200WまでならTSSで書類のみ、なんと便利な世の中でしょう。しかし、500Wとなれば落成検査の難関が待ち受けています。インターネットで体験記を見たりハムショップで話を聞いたりして実践したことをまとめたいと思います。後で変更検査を受ける方の参考になれば幸いです。

<1時限目>
 今の世の中お金さえ出せば1KW以上のリニアアンプを手に入れる事は簡単です。オークションにも出ていますしメーカー製でもハンドメイドでも良く見かけます。中古のリニアで十数万くらいでしょうか。ヘンリー製の3Kとか高周波電源改造5Kとか絶対検査の通らない物も・・・しかしQROのための予算は無限ではありません。
 1アマ免許を取ったときに我が家の大蔵大臣に泣き付き自分のへそくりもはたいて20万円を用意しました。アンプ・付属品・変更手数料全てコミコミ予算、オーバーは許されません。メインのアンプは石(FET)か球(真空管)か悩むところです。今の時代に真空管?のような気もしますが電源を別に用意したり高調波の問題や値段を考えるとまだまだ真空管アンプに軍配が上がりそうです。
一世を風靡した東ハイの「HL1K/6」(昔だれか持っていたような気がしますが)はオークションでは8万円前後で落札されていました。HPでも有名な九州のハムショップでは3CX800Aの新品リニアが25万円!!1kw楽勝でかなり良いものですがこれだけで予算が無くなってしまいます。
近くのハムショップの店長のアドバイスもあり中古アンプの6m改造を検討してみる事にしました。と言ってもCBアンプや名前の知らないメーカーでは困ります。本体の信頼性から言えばトリオ(ケンウッド)のTL−922が最高でしょう。改造例も多くHPに良く出ています。12万円前後のオークションで何回か入札しましたが及ばず・・・。
 そんな時見かけたのがヒースキットのSB−1000でした。あまり使っていないとのコメントと九州のハムショップのHPに改造記が載っていたので落札してしまいました。(9万円)

(写真SB−1000)

 しばらくして届いたSB−1000、その重さにびっくり。ほとんどトランスの重さです。
6mの改造費が3万5千円、早速メールで連絡を取り予約しました。
メールのやり取りでも素人質問に親切丁寧に回答があり、HPを見る限り改造もかなり完成度が高く安心して任せることができました。
 3週間ほどで完成、20W入力で500W出力・200V仕様・電源等の手直しなどこの金額は十分納得できます。

(写真 改造前)

(写真 改造後)

<2時限目>
 アンプの目処はつきました。あとは周辺機器をそろえます。最低限必要なものは・・・
@ SWR計1KW以上計れる物がベターでしょう。ハムショップを覗いていたらQRTした某OMからの提供品の中にありました!!ダイワのSWR計しかも1.5KWまで計れます。値段も4千円即ゲット!!

(写真SWR計)

A ダミーロードもハイパワーや真空管リニアには欠かせません。1KWの耐圧は欲しいところです。オークションを見てもバードやクラニシなどの有名どころは3万円前後で落札されています。とりあえず有ればよいのでMFJのでも買おうかと思っていたらまたまたハムショップから掘り出し物が・・・。
 業務用のダミーが1万円。300W規格ですが「1KW入れてもびくともしないよ」との店長を信じてゲット。本当にFT−1000MPのベアフットではほんのりともしません。良かった・・・。

(写真 ダミー)

B リニアアンプを200V仕様にしたので200Vの配線工事をしなければなりません。本当はアンペアも増やしたいところですがその工事も入れると見積もりが十数万円に、しかも北電の工事が混んでいて今申し込むと9月くらいかなとの話でした。
配線工事だけ依頼、今はクーラーを使う家も増えたので工事自体は比較的簡単に終わりアース工事も無事終了。工事代金3万5千円也。

(写真 200V)

C やはりQROしたときの最大の心配はインターフェアーでしょう。
最近は地デジの普及でHF・6mより430Mhzのほうが危ないとか、一度出ると止めるのに一苦労だそうです。幸い我が家は住宅密集地ではなく半径50m範囲に民家が2軒、後は畑ですがクリーンな電波を目指します。
 お馴染みのBPFやLPF、コモンFなど多くの種類のフィルターが売られていますが性能は(?)のものが多いようです。最初にリニアを検討したときにFETのリニアをたくさん製作している1エリアのOMさんのHPが気になりました。フィルターの製作でもかなり研究されていて自作の9段LPFはネットワークアナライザーの限界以上の減衰比でかなり効きそうです。恐る恐る値段をメールで問い合わせたらなんと破格の・・・・・円!即注文しました。突然のメールでの注文に親切に対応してくださり感謝!!

(写真 特注フィルター)

D コモンモード対策はあまり厳格にはしていません。接続ケーブル類・電源コード類にコアを5個ほど巻いています。5千円くらい。接続用の同軸ケーブルは手持ちのMコネを使用しましたがLPF接続のNコネは2個購入。今はNコネもはんだ付けタイプ(Mコネと同じ要領で作れるタイプ)がありすごく簡単に作れます。部品も少なく防水用の伸縮チューブまで付いていて楽チン楽チン。2個で3千円。

(写真 コモン対策?)

 リニアアンプをセットアップしダミーにつないでテストしました。定格どおり500Wを出力、真空管の灯りも幻想的です。さあこれから申請書類と格闘します。「変更手続き編」へつづく・・・・。

(写真 真空管の灯)
(写真 定格出力)

VeryTNX 筑豊ハムセンター 大熊氏、JA1BOP RoyOM。

2008年7月17日   JH8AHO
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