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<実践QRO教室(2)変更手続き編> |
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<3時限目> 私は50W移動局と200W固定局の二つ持っていますので今回は200W固定局の変更になります。 JARLの変更用紙一式には200Wを超える局の説明はわずか1ページ!!当然分からないので他局のHP(500W変更検査で検索するとかなりの数がヒットします)を参考にしました。 変更事項は従事者免許と空中線電力、既存のリグにリニアアンプを付けると変更ではなく取替えとなるそうです。ちょっと納得できませんがお役所仕事は慣例が重要、500Wの出力に変更するのは6mだけです。 6月23日付にて変更申請書類を提出、「アマチュア無線局の無線設備等の変更申請書」「無線局事項書及び工事設計書」「送信機系統図」の3種類を総務省北海道総合通信局陸上課に送りました。 |
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書類を送ってから一週間後総通の担当者から電話が来ました。リニアの問い合わせと「電波防護指針」の書類の提出依頼です。 担当者は親切な対応で「500W局なので通常の審査より少し時間がかかります。 8月の都合の良い日程がわかれば教えてください。 普通の日に休むことができますか。」等等。 こちらからは、 @ リニアアンプは改造して6mしか波が出ない。6mのみの変更を確認。 A JARLのHPに載っている自己点検表で電波防護基準は計算済み。(当然クリアしています)その計算根拠となる周辺地図・アンテナから観測点までの距離計算、アンテナの性能表などを添付書類の確認。 B 早めに日程がわかれば休みを取ることは可能。 とお答えしました。 ついでに「私の家は畑の真ん中なので半径50m以内に民家は2軒しかありません」と伝えると「それでは問題ないですね」と嬉しいお言葉。 早速追加書類を送りました。「電波防護のための基準値(自己点検表)」「アンテナから周辺居住地域までの周辺図」「アンテナの仕様書」です。書式はJARLのHPからダウンロード、図面はフリーハンドで書きました。アンテナの仕様書はカタログデータをそのままコピーしています。 |
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「電波防護指針」は平成11年から50W以上の固定局には基準値のクリアが義務付けられているのですがアマチュア局でTSSを経由した場合は提出不要の恩恵(?)があるようです。 JARLの書式に数値を入れて計算式の通り計算すると数値が出てきます。ちょっと判りづらいのはアンテナから測定点までの距離、アンテナの高さ・距離から三角関数で地上2mの点からアンテナまでの直線距離を求めます。 通行している人も対象なので例えば隣家との間に道路がある場合は道路上が測定点になります。私の場合も家の前の道路の中央を測定点に計算しました。マンガのような稚拙な図面を書き、理論はさっぱり(hi)わかりませんが数値は規定内に収まりました。 クランクアップタワーの場合は最低高での測定も求められます。ゲインの高いアンテナを使い地上高が低い場合は規定値に収まるのは難しくJARLからは出力のダウンやアンテナの移設(!!!)が推奨されています。 <4時限目> 7月29日付けにて「無線局指定変更・変更許可通知書」と「事前点検表・工事完了届の用紙」が郵送されてきました。次の日に「試験電波発射届け」を提出、これで公にアンテナから試験電波が発射できます。あくまでも「試験電波」ですが・・・TVIやBCIの調査ができます。 実際には設備がもうそろっているので「工事完了届」を提出しても良いのですが「アマチュア局事前点検表」の作成が残っています。記載内容のメインはリニアの送信機測定データとTVI・BCI等の状況調査です。測定データはリニアのメータ読み数値をそのまま記入でOK。 一番厄介なのはTVI・BCI状況調査です。 近所の5件を訪問し試験電波を出してIが出ないか調査します。住宅密集地やKW申請では半径50m以内の家を全て調査せよとの指示が出ることもあるそうですが各地の総通で対応は違うようです。 |
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8月9日暑さも和らいだのでTVI・BCI調査を行いました。 対象の5件とも町内会内なので話は極めてスムーズでした。試験電波を出して1時間以内に全てのお宅から「異常なし」の確認印をもらえました。 都会では近所の方の顔も見たことがないと言う事もありそうですね。最後は「近所付きI」(hi)で泣かないように・・・。試験電波発射中に小樽のOMから「クリアーな音」とのレポートを頂きました。これで完了届けが提出できます。 総通担当者によれば車や装備等の手配が混んでいるので9月になりそうとの事、早速変更検査手数料11650円の収入印紙を用意して書類を提出します。 |
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<コーヒーブレイク> 800円の無駄遣い・・・。JARLの変更用紙一式を買うと「無線局変更工事落成届」が綴られています。しかし、手続きの中で送られてきた総通の提出依頼書類の中に変更工事落成届はありませんでした。 替わりに「工事完了届」の用紙が同封されてきました。 両方提出するのかと思い問い合わせたら同封の「工事完了届」だけでOKで収入印紙もそこに貼ります。200W以上の局(TSSを利用しない局)の説明はオマケ扱いで結局申請書類も北海道総合通信局のHPから、「電波防護基準」はJARLのHPからダウンロードできるのでJARLの変更用紙一式は買う必要はないとの結論になりました。 <5時限目> 8月19日総通の担当者から電話がありました。無線局検査の日程は9月初旬で調整しているとの事、9月2・3・4日のいずれかになりそうです。 JR利用するかもとの事で時間がわかれば駅までお迎えするとお伝えしました。それと事前調査表の誤りを報告。終段(リニア)の入力電力の欄にエキサイターの入力電力(15W)を記入してしまいました。担当者の方もチェックしていたらしく「実測で問題なければ大丈夫なので訪問時確認して修正してもらう予定でした。」と・・・。 3.2KVで0.32A流れるのですから計算上の入力は1024Wですよね。効率50%で約500Wが出力されます。当日は向かいの家のTVI調査も行うそうなので日程が決まったら挨拶に行かなくちゃ。いよいよ検査当日を待つばかりです 。 担当者より連絡があり検査日は正式に9月2日と決定しました。事前に送られてきた「変更検査についてのお知らせ」に基づき準備をします。検査事項は・・・ @ 無銭従事者の資格 A 法第60条の備付書類 B 「無線局事項書及び工事設計書」の記載内容の確認 C 電気的特性(空中線電力の測定及び安全施設の確認) D 総合試験(TVI・BCIの有無) 法第60条の備付書類は「正確な時計」「電波法令抄集」「免許状」「無線局検査簿」「無線局業務日誌」・・・試験のとき覚えましたね。 |
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近隣住宅のTVI確認は「総務省通達 無線局検査事務規定」に定められており必ずやるそうです。事前に連絡のあった予定表によると10:30検査開始、11:30検査終了、TVI確認は15分程度の予定です。 <課外授業> 無線局検査当日(9月2日) 当日は天気もよく絶好の検査日和となりました。時間通り公用車で技官2名と事務官1名の到着です。通常は2名で検査をするのですが人事異動で着任した方がアマチュアの検査が始めてとの事で今回参加したそうです。 ダミーはこちらで用意したものを利用しましたがパワー計と電界強度計はデジタル式の最新のものを持参されました。(バード43ではありません) まずダミーに繋いでキャリアで出力の確認、入力16Wで525W出ていました。同時にスプリアスの検査も実施、第2高調派で−70dBなので問題なし。 さていよいよTVI検査です。隣家に技官が行って確認します。今は携帯電話があるので連絡を取りながら試験電波を出します。アナログ1チャンネルでチラリと画面が乱れた(らしい)との事ですが問題なし。ちょっとドッキリ・・・。 外回りの電界強度も基準値以内でした。6mだけなので30分ほどで総合試験は終了。検査の合間に技官の方と雑談、今は北海道全域を担当しているので出張が多く大変ですとの苦労話をお聞きしました。 備付書類の確認も終わりさて無線検査簿の記入を・・・検査簿の台紙がない!!!通常は検査を受ける局が用意するものだそうです。電波法令抄録に雛形が記載されており「拡大コピーで問題ないですよ」とのお言葉、その場で慌ててコピーしました。 無線検査簿の台紙の話はどこのHPでも記載がなく検査官が持ってくるとばかり思い込んでいたのですが事務官は公印一式を持参していました(冷や汗たらりhi)。指摘事項なしの検査簿と真新しい無線局免許状を押し頂き検査は無事終了しました。 |
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<帰りのホームルーム> 技適のリグを使う限り500Wまでならあまり大きな問題はないでしょう。TVも地デジ化が進んでいますからさらにリスクは少なくなります。 今回の変更検査の教訓は最終的にはいかに良好な人間関係(近所付き合い)を作れているかに尽きると思います。たかがアマチュア無線のために時間を割いて付き合ってくれる関係作りは特に都会では難しくなっていますね。 総合通信局の担当者の対応も親切で判らないことは遠慮せずに聞きながら進めることも重要です。 6月23日に申請書を出して9月2日に免許交付ですから順調に進んだ方でしょうか、これで晴れて500W固定局の誕生です。 |
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2008年10月7日 JH8AHO |
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