ヤブにらみDX考

6mでハムライフを始めた頃は、DXはほとんど興味はありませんでした。当時はサイクル20と21のどん底の時期でとてもそんな状況ではなかったのです。それでもVKや小笠原などコツコツとできるようになりました。サイクル21・22はほとんど10W+GPでしたので参加するだけでしたが、やっと人並みの設備になった今回のサイクル23ではかなりDXQSOも楽しめるようになりました。それにハム人口の減少は6mも影響を受けていて、聞こえていればほとんどできる状態です。やっと趣味として楽しんでいます。

開局から今までで40カントリーをコンファーム。数としては少ないのですがそれぞれの思いいれは十分語れます。それでは思い出の一部をご紹介しましょう。

(1)JD1(OGASAWARA ISLANDS)
最初のJD1は1976年の泣く子も黙る「SMIRK」の第一回DXペデション局でした。小笠原は父島・母島を代表に多くの島がありますが海上保安庁と気象庁の職員しかいない所は事実上QSO困難です。それでも硫黄島とはQSOできました。



(2)VK(AUSTRALIA)
赤道伝播で意外と楽にQSOできました。以前はテレビ周波数の関係で、VKとZLは52メガ台に出てきていました。FT620のバンド水晶を注文した記憶があります。広い国なのでVK同士が同じ周波数で呼び合うのも良く聞きます。VK7がまだできていません。VK0は無理としてもなんとか1から9まで揃えたいものです。



(3)W(USA)

開局したときにはアメリカと6mでQSOできるなんて夢にも思いませんでした。サイクル21は朝の弱い大学生、22の時には仕事で無線どころではなかったので局数もあまり多くありませんが、1・4・5・6・7・9は持っています。

(4)KH2(GUAM
グアム島のDXサーといえば、KG6DXでしょう。今は無線の免許を持っていれば誰でも簡単にQSYできますが、出てきたらいつも人気が高いですね。

(5)3D2(FIJI)
南海の楽園フィージー、かつては新婚旅行の憧れの地です。何年か前にクーデターが起きてかなり人気が落ちたと聞きましたが・・・。学生のとき友人の家でカスカスの3D2とQSOした時の興奮が今でも心に残っています。心底嬉しかった!!!

(6)VS5(V8・BRUNEI)

今はV8ですが、世界に屈指の金持ち国です。大学生時代授業が無いので家で無線機のダイヤルをクルクル回していたら、いきなり聞こえてきました。開けはじめにタイミングよく呼んだので正真正銘10W+GPでQSOできました。

(7)KL7(ALASKA)
北海道は、地理的にも近いのでQSOのチャンスは多いようです。私も数枚カードを持っています。北極圏に近いのでオーロラの下でQSOなんて粋ではないですか。

(8)FK(NEW CALEDONIA)
「天国に一番近い島」海の青さを想像するだけで心が躍ります。ビーコンが出ていて太平洋方面の良いパイロットになっています。人がいればQSOできるのに・・・。



(9)HL(KOREA)

お隣の国韓国、千歳から直通便で2時間で行ける外国です。近いだけにESシーズンにも良く聞こえています。流暢に日本語を話す局も多くなじみの多い国でしょう。しかし、いろんなプリフィックスで混乱してしまいます。HL・DS・6K等・・・6Kが出てきたときにどこのDXか大慌てしてしまいました。

(10)CX(URUGUAY)

南米は対称点効果でよく聞こえてきますがCX・CEとなるとあまり無線家もいないのか珍の部類になります。丁度サイクル22のピークでできました。



(11)KX6(V7・MARSHALL)
アメリカの核実験場で有名なマーシャル諸島、一般人の立ち入りは制限されているので出ているのは基本的に軍関係者です。今回のサイクルでV73ATが良く聞こえていましたがJAが呼び倒すのに嫌気が差したのか後半はほとんどJAに応答しなくなりました。強く聞こえているのに・・・。

(12)YJ(VANUATU)
日本からのペディションYJ0AMIとQSO。平日の日中だったこともありかなり強く聞こえていたのにほとんど誰も呼んでいませんでした。この方はESもアクティブに出られておりその後も数回国内ESでお話しました。

(13)3D2(CONWAY REEF)
3D2の別カントリーコンウエイリーフは、90年のDXペディションです。3D2はロツマとあわせて3カントリーありますが、何とか6mでクリアしたいところです。

(14)BV9P(PRATAS ISLAND)
BVを中心に国際チームが何回かペディを行っています。強く聞こえていたのですが、BVのオペレーターが何を言っているのか判りづらく苦労しました。JAのオペレーターに代わってからどんどんさばいてくれましたが・・・。

(15)DU(PHILIPPINES)
フィリピンと言えば親日家のハムDU1GFが有名ですが、長年のお友達がたくさんいてなかなか若い者に順番が回って来ません。最近では日本人の局も良く聞くようになりましたが、聞くたびにコールサインが違います。

(16)ZL(NEW ZEALAND)

VKのお隣の国ですがハム人口が少ないのかあまり聞こえてきません。最近ではトリプルコールの局が良く出ていますが、何回かチャンスを逃がしています。

(17)LU(ARGENTINA)
南米で一番良く聞こえる国です。しかし・・・、国民気質かカードが来ません。ビューロー経由では来たためしがない。SASEで手に入れた貴重な1枚が手元にあります。

(18)BV(TAIWAN)
一寸前までは、BV1AとBV1Bの2局しかハムが存在しませんでした。(2局は同一人物)いまはESでもかなりの局が聞こえます。日本人も多く開局しているようです。

(19)V6(MIKRONESUA)
以前はKC6と呼ばれていました。KC6と言えば「73カセローニア!」でおなじみのポナペの西村さんが有名です。今はコスライ島から出られています。ポナペの古い住所でQSLカードを送ってしまったのですがちゃんと転送されたようです。(1997年QSY)ポナペ・コスライ・チョークの各島からJAの局が聞こえています。

(20)VR2(HONGKONG)

香港の6mの有名人はなんと言ってもVR2XMTでしょう。良く聞こえますし良く聞いています。誰もいない190付近でCQを出していたら呼ばれてビックリしました。

(21)KH0(NORTHERN MARIANA)
サイパン、初めての海外旅行がサイパンだったので思い出がリンクしています。私的にはグアムよりサイパンがお気に入りです。隠れたリゾートロタ島からのQRVもありました。

(22)T88(PARAU)
パラオも最近はレンタルシャックの影響かJAの無線家の声が良く聞こえます。南の島で思い切り無線を楽しんでみたいですね。

(23)TX0(CHESTERFIELD ISLANDS)
つい最近DXCCカントリーの仲間入りをしたチェスターフィールド。1回目のTX0DXと2回目のTX0Cの2枚カードを持っているのが一寸自慢!!?今年のペディは超強力局しかトライできなかったのでは・・・。

(24)9M6(EAST MALAYSIA)
マレーシアはJAの局も多くいるようですがなかなかQSOできませんでした。最近はレンタルシャックもできたようです。9M9/タイプミスで発行されたの幻のカードがあります。

(25)XE(MEXICO)
今回のサイクルでやっとQSOできました。送られてきたQSLカードのシャックの写真で判断する限りかなりのお金持ちです。中南米では無線家はハイソの象徴、お金が無ければできない趣味ですから・・・。

(26)FR(REUNION ISLAND)
唯一のアフリカ。2001年5月6日は忘れられない日です。夕方からバズがすごくなり18時頃から開け始めFRが2局できました。その時にG7のコールサインでもう1局交信したのですが、イギリスか!?と浮かれていたらMMだったようです。QSL情報も無くそれっきりでした。

(27)XV(VIETNAM)
東南アジアは近くて遠い。日本人のKさんとQSOするのにも苦労しました。8が開けているときは1も開けているので1の壁を破るのは至難の業です。エリア指定も6まで順調でその後1の局に呼び倒されて1に戻ったり、やきもきしました。アクデビティが高かったのでQSOすることができました。



(28)VK9(NORFOLK ISLAND)

(29)VK9(MELLISH REEF)
どちらもペディションでよく聞こえていました。特にメリッシュは6mにかなり重点を置いて精力的にQSOをこなしていました。最後は呼ぶ人がいなくなるくらい!その点では最近行われたロードハウと対照的でした。VKが開けて可能性があったのにビーコンさえ聞こえませんでした。6m好きが1人でも居ないとこんなものなのでしょう。

(30)5B4(CYPRUS)

ヨーロッパの大オープン時は仕事でまったく家に居ませんでした。後で話しを聞いてかろうじてできたのはキプロスでした。EUまで目と鼻の先ですが悲しいかなアジアです。SASEの封筒が糊付けされていなくただ封が折り込んであるだけでした。どうせ検閲されるのだからでしょうか、これでちゃんと配達されたのにびっくり。

(31)BY(CHINA)
経済の成長に伴って無線家も増えています。ビューローの体制も整ってきているそうですが、最初にQSOした局は3回SASEで送ったのに「なしのつぶて」でした。さすがに2局目の上海の局はすぐにカードが来ましたが・・・。

(32)YB(INDONESIA)
軍事クーデターで無線どころではない時期、偶然出ている局を発見。来たカードは西洋紙より薄いペラペラの紙でしたがめでたくコンファームできました。

(33)XY(MYANMAR)
軍事政権が続くミヤンマーからも無線の波は出ています。DXシャックでおなじみの米塚OMのペディができました。

(34)VU(INDIA)
今後インドから6mの波が出る可能性はほとんど無いでしょう。もともと軍事用の周波数でスポット許可になっていました。その免許も6mは更新されなかったそうです。ちょっと貴重品!?

(35)A45(OMAN)
中東の国オマーン。丁度110の下で強いCWを見つけ、なんとなく聞いていたらA45と打っているではありませんか、とにかく呼びました。数分しか開けていませんでした。



(36)XW(LAOS)
これも米塚OMとのQS0です。米塚OMは本当に良く6mを聞いていますね。今度はどこから出てくるのか楽しみです。

(37)8Q7(MALDIVE)
インド洋の楽園モルジブ。太平洋の楽園ニューカレドニアに匹敵する人気リゾートです。イギリスのグループによるDXペディでした。

(38)KH6(HAWAII)
2000年10月にQSOしたのですが、カードが来ません。ビューロー経由とSASEで2回送りましたが返事がなく諦めかけていましたが、最近やっと来ました。それも送った分3枚も!!!諦めていたので喜びもひとしおです。

(39)9M2(WEST MALAYSIA)
9M6と違いなかなかQSOできませんでしたが、2003年に続けてゲットしました。JAの局も多く居るようです。

(40)JD1(MINAMI TORISHIMA)
アメリカ読みはマーカス島、ロランCと気象観測施設しか有りません。最近は海上保安庁のクラブ局や個人局も良く出てきています。日本の3つ目のカントリーやっとできました。

(番外)おこげ
QSOしてカードも送ったのに・・・と言う「おこげ状態」これにも思い出があります。鬼門はVE(カナダ)です。最初のQSOした局は、本人が死んでしまいNG。次にQSOした局も「なしのつぶて」です。次回のサイクルでリベンジだ!!旧ソ連の国で中近東方面を何局かやっていますが音沙汰なし。諦めました。

HFなら100カントリーも現実的ですが、6mでやることの意味はまた大きく違います。

HFで横行しているリストQSO・マイクコントロールは無く、QSOマナーは比較的良いほうでしょう。こんな6mに何時までもしがみついて行きたいと思っています。

2004年11月17日(JH8AHO)


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