<真空管の灯に癒されて>

私が開局した時期には送信機の終段は全て真空管でした。FTDX−400・TS−511・FT−401、何せモービル機のFT−75でさえ真空管を使っていたのですから・・・。スイッチを入れてからしばらくすると浮き上がってくる受信音が何ともいえませんでした。調整も「儀式」が必要で、ヒータースイッチを入れてからしばらく音が鳴るまで待って、プリセレクト・プレート・ロードなどのつまみをバンドごとに合わせなければなりません。高校のクラブの先輩が無造作に合わせるのを見て憧れたものです。20本近くの真空管を使っていた昔の機械はまさに電気暖房気だったのでしょう。FT−101やTS―520は持っていましたが真空管はドライバと終段だけでした。私の記憶ではFT−301がオールソリッドステイト(古い言葉!!)の最初の機械だったと思います。ヤエスは一番初めに真空管を使わないリグを作ったのに一番最後まで真空管のリグ(FT−OEN)を作っていた変ったメーカーです。受信機も「高一中二」とか「0−V−1」や「1−V−2」などを辛うじて知っています。確か「科学教材社」でキットを売っていました。真空管自体はオークションでよく見かけますが、バリコンはかなり品薄のようです。ポリバリコンでも代用できますがやはり羽を回したいものです。オーディオの世界では真空管のアンプが見直されています。やはりオークションではかなり高値で落札されています。

コリンズやドレークの真空管の受信機もお金があれば欲しいのですが、値段だけでなく後々のメンテナンスを考えると手が出ません。代わりと言っては何ですが・・・

買ってしまいました。真空管ラジオ。1万円近くの買い物でしたが、ST管使用の並三ラジオです。オレンジ色の灯と共にほんわか聞こえてくるNHKの放送で癒されています。真空管の中で見えているヒーターやプレートの隙間から見える明かりに「世界」を感じています。


2004/03/29掲載


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